年金事業が売買されるという感覚は日本人には乏しい。報道を見て考えてみたい。
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『HSBC、英年金事業をスイス・リー子会社に売却へ
2014 年 6 月 12 日 02:54 JST
英銀行大手HSBCホールディングスは11日、英年金事業を再保険大手スイス・リーの子会社に売却することで合意した。売却額は明らかにしていない。
HSBCは、企業・個人年金契約と関連する年金口座をスイス・リー傘下の「リアシュア」に売却する。
リアシュアは、すでに販売を停止したものの保険料が引き続き支払われている契約の買収を手掛ける「アドミン・リー」部門の一部。』
- ファクト:HSBSが「英年金事業」を再保険大手小会社「リアシュア」に売却
- ファクト:リアシュアは販売停止し保険料を支払い続けている保険契約の買収を手がけている「アドミン・リー」部門の一部
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『 スイス・リーによると、今回の取引では40万件以上の契約が対象になる。運用されている原資産は総額約42億ポンド(約7200億円)で、そのうち約40億ポンドはHSBCグローバル・アセット・マネジメントが今後も運用を継続する。』
- ファクト:運用されてる原資産は総額7200億円。ほとんどが売却元のHSBCが運用を継続
HSBSはこれまでと同じように資産の大半を運用する。英年金事業サービスの運営をアドミンリーに任せたとみていいのだろうか。
ちなみに、HSBCの運用から離れた約2億ポンドは、アドミン・リー部門が運営することになったということかな。
そうなると342億を売却先のアドミン・リー部門が運用するということになるね。
『 売却は規制当局の承認を経て、2015年下期に完了する見込み。
スイス・リーは昨年アドミン・リー部門を英保険大手フェニックス・グループ・ホールディングスに売却する方向で交渉していたが、条件面で折り合いがつかず合意に至らなかった。同社はその後、アドミン・リー部門の強化に向け英国市場での買収に注力する意向を示していた。
スイス・リーはアドミン・リーの米国事業を12年に売却し、およそ4億ドルの損失を計上した。
アドミン・リー部門の収入保険料・手数料収入は13年に22%減少したが、利益は米国事業の売却損を計上した前年から増加した。……[後略]』(http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304826804579618410886190306)
- ファクト:アドミンリー部門は売却される方向だった。
- ファクト:その後、アドミン・リー部門の強化に転じ、今回の英年金事業の買収に至った。
- ファクト:収入保険料手数料収入は減少したが、利益は増加している
- メモ:年金事業の売却・買収が行われているという事実の確認。アドミン・リー部門は、収入保険料・手数料収入は減少したが、年金・保険資産の運用益で利益は増加しているのかもしれない。
- メモ:アドミン・リー部門は、これまで運営していた保険資産の運用に限界を感じ、強化に出たのか。今回買収した英年金資産のうちわずかだが新たに運用資産が増えたのだろうか。
- メモ:年金事業の売却に拠って、被保険者にはどのようなメリットとデメリットがあるのだろうか。契約する相手が変わることは不安を増大させるのではないか。
- 年金の民営のデメリットとは何かを考える切っ掛けとしたい。